鍛治工程



■刃金(鋼)付け
炉に入れて赤く熱した棒状の地金を取り出し、接合剤を付けた刃金を重ねて置き、
再び炉の中で熱して鍛接していく。

刃金(鋼)付け
■先付け・中子取り  
刃金付けされた材料を動力ハンマーを用いて打ち延ばして大まかな包丁の形に整える。
中子取り
■焼きなまし
鍛造(たんぞう)*1による材料の歪み(ストレス)を取り除くために全体を熱した後自然に冷ます。
*1金属素材を加熱し、ハンマーやプレスで たたき、成形し靭性(じんせい)を与えていく加工法。
ここでは前工程の「刃金付け」、「先付け」の一連の作業を指す。
■粗たたき
表面の酸化皮膜(ベト)を取り除き、できた凹凸や、
鍛造による鎚跡(つちあと)を平らにするために常温で動力ハンマーでたたく。
■裏すき       
グラインダーで裏面を研磨して「樋(ひ)」になるカーブを形づくる。
型断ち

■仕上げならし・型断ち
表面からハンマーで全体をたたいて打ちしめると同時に歪みを取る。
包丁の型に合わせて余分を切断機で切り取っていく。

裏すき
■泥塗り
素早く均等に焼入れするために包丁に泥を塗りよく乾燥させる。
泥塗り
■焼き入れ
約800度に加熱した包丁を一気に水などにつけて急冷する。
この工程で刃金(鋼)が硬くなり切れる刃物になる。
焼き入れ
■焼き戻し
刃金(鋼)に粘り強さを持たせ、欠けにくくするために再度約180度に加熱して自然に冷ます。
泥落とし・歪み直し 泥をふき取り、焼入れ時にできた歪みを修正する。

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研ぎ工程



■荒研ぎ
包丁の型に合わせて作られた木の棒(研ぎ棒)に包丁をはめて鉄製のハンドルに取り付け、テコの力を利用して粗い目の円砥で先に刃先を研ぎおろし、次に平・裏と同じく粗い目で研ぎしろを残した厚さまで研ぎ、形を整える。
荒研ぎ
■本研ぎ・刃引き 
細かい目の円砥で荒研ぎの目をつぶすように研ぎ、さらに刃先を研いで仮の刃をつける。
本研ぎ・刃引き
■ バフあて    
砥石で研いだ目をさらに細かくするために羽布(バフ)をあてる。徐々に細かい番手に変えてさらに光沢を出す。
バフあて
■   木砥あて
これをあてることでさらに目が通って落ち着いた光沢になる。
木砥あて
■際(きわ)引き     
樫の木などの木片でこすってしのぎ筋を際立たせる。
■霞ぼかし    
砥石の粉を練ってゴム片に付け、切刃部分をこすって刃境(刃金と軟鉄の境目)をより浮き出させる。
■小刃合わせ   
刃先を研いで最終的に切れる刃に仕上げる。
■油拭き     
研ぎあがった包丁をよく乾かして水気を取り、錆び止めに油または液体ビニールで拭いて表面に皮膜を作る。

■柄付 
柄部分をバーナー等で熱し、木柄に差し込み、柄尻から木槌でたたいてカチ込む。

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研ぎ屋さんの道具たち

森本刃物製作所の職人たち愛用の道具をご紹介します。



■円砥(えんと)
モーターで回転させて研ぐ道具。下端が水槽に浸かっており、水を巻き上げながら研ぐことで刃物の焼けを防ぐ。工程により数種類を使い分ける。
■研ぎ棒
円砥で包丁を研ぐための道具。
各サイズ・型ごとに合わせて
作られていて、ここに包丁をはめ、
両手で押さえ込んで研ぐ。
■バフ レース台
包丁の砥石目を細かくしたりツヤだしに用いる。布製のホイールに膠(にかわ)で砥粒を貼り付けたものやフェルト製のものなどを取り付け用途に応じて使う。
■回転木砥(かいてんきど)
バフあての終わった包丁に
さらに目を通し、落ち着いたツヤを
持たせるために用いる。
金剛砂(手前の桶)を
塗りつけながら使う。
■タタキ
円砥をたたいて筋をつけるための道具。筋をつけることで包丁が回転する砥石に吸い付くのを防いだり、水を巻き上げやすくなる。
■木台
包丁の歪み取りを
この台の上で行う。
■荒研ぎ用ハンドル
(円砥上部)
鉄製のハンドルでここに研ぎ棒をはめてテコの力を使って荒研ぎをする。